GOAL設定もしない、目標も目指さないQOLコーチングとは?

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コーチングって何だ!?

最近かなり一般的になった「コーチング」という言葉。

スポーツのコーチとは違うらしい。
何となく聞いたことあるけど、詳しくは知らない。
カウンセラーやコンサルタントや先生とも違うらしい。

自社内や友人の会社では「コーチングセッション(1on1)」が導入されたらしく、もしかしたら自分も受けることになるかもしれない!?

よく分からないけど、何となくコーチングを勉強してみたい。

このような疑問や好奇心を抱えた方向けに、一般的なコーチングの解説と、筆者である菊池が独自に開発・提供している「QOLコーチング」について解説しますね。

まずは一般的なコーチングの解説

note内にも解説記事がたくさんあるので、わざわざ菊池が書く必要ないかもしれませんが(笑)

QOLコーチングとの比較のために、業界歴約20年の菊池が、ざっくり解説していきますね。

※語源は馬車だとか、何年代にどこで生まれたとか、そういうのは割愛します。歴史を知るのがお好きな方は、ぜひAIに聞いてくださいませ!

コーチングを提供する人のことを「コーチ」と呼びますが、一般的なコーチの主なお役目は3つ。

  1. 理想のGOAL、夢、目標、ビジョンなどを明確にする
  2. 現状の課題や問題などを明確にする
  3. 理想と現状のギャップを埋める行動計画を明らかにする

これらを、コーチではなくクライアントの自発的な気づきや考えをもとに設計していくサポートをします。

例えば、
1. 理想:人前で緊張せず、上手に歌を歌えるようになりたい
2. 現状:人前に立つと緊張し、声が震えて音を外してしまう
3. 行動計画:安定した歌声になるようなトレーニングをする

といった具合に、コーチの提案というよりも、クライアントが自ら設定し実行し続けることを主とします。

「えっ、なんかそれくらいだったら、わざわざプロのコーチに外注しなくても、誰でもできそうな気がするんですけど・・・。」と思われるでしょうから、補足してきましょうね。

ティーチング、コンサルティング、カウンセリング・・・これらとコーチングは何が違うの?

似たような意味を持っていそうな言葉がたくさんありますので、それらと比較することでコーチングの役割を明確にしましょう。

※コーチングを含めた全てに対し、優劣をつけるものではありません。場面に応じて適切なコミュニケーション方法があるのと同じで、ここではその違いに注目してください。

◼︎ティーチング(Teaching)

一般的な学校の先生をイメージしてください。

例えば、算数の授業で「10×10は、10が10個あるので100ですよ」みたいな感じで、用意された問題に対する考え方や解き方を教える。

「先生と生徒」つまり「知ってる人と知らない人」という関係性で指導をしていくのがティーチングです。

◼︎コンサルティング

ある現状に対し、専門的な方法によって、本質的な問題提起と解決方法を提示して、解決に導いていく手法です。

例えば、従業員の離職率が高いという現状がある企業に対して、企業側は「仕事内容がキツいからだ」という認識をしているが、コンサルタントが多方面的に話を聴いていくと「管理職の自覚のないパワハラが原因だった」ということが判明。解決方法を提示し、解決に向けてアクションします。

◼︎カウンセリング

ある自覚的な悩みに対して、その原因を突き止め、専門的な技法によって原因を解消し、症状を解決する手法。

例えば、失敗するのを異常に恐れる側面があることを紐解いていくと、小さな頃に失敗してお父さんに激しく怒られた経験がフラッシュバックするなどの原因を、トラウマケアなどをして解決します。

風邪を引いて病院で診察してもらう時も同じように「風邪症状に効く処方箋を出しておきますね。」と言われますよね。

「将来どうなりたい」といった未来の話よりも、過去や原因などを取り扱うことが多いです。

◼︎コーチング

前述の通り、理想と現状のギャップを明らかにし、そのギャップを埋める行動計画を立てて実行するまでを、クライアントが主体となって行います。

この間、コーチは「問い」を使ってクライアントの気づきを促すことで、自発性や自主性を尊重することができます。

例えば、ダイエットをしたいというクライアントがいた場合に「毎日ウォーキングをすれば良いのではないですか?」といった提案やアドバイスを率先して行うよりも「どのような方法なら目標を達成できると思いますか?」といった質問を通して対話できます。

「知ってる人と知らない人」「先生と生徒」「専門家とクライアント」といった上下関係ではなく、比較的対等な関係性でのセッションです。

それぞれのセッション手法の良し悪し

上記の通り、人の目標達成や問題解決をサポートするコミュニケーション手法は様々ありますが、「結局のところ、どの手法がベストなのか?」という問いが立つとしたら、その答えは「全て使えば良い」と考えています。

菊池はコーチングだけを贔屓するつもりは全くなく、むしろコーチングだけにこだわると早々に限界を迎えることも理解しています。

手法はあくまで「違い」であって「優劣」ではありません。

場面に応じて「より機能する」手法があるだけですし、コーチングにまつわる迷信として「コーチングはアドバイスしない」などといった話がありますが、初心者にとって分かりやすく便宜上そう言われているだけであって、アドバイスばかりしてくるコーチもいます(笑)

ただし、やはりコーチング自体はとても優秀な手法であることは間違いないのですが、菊池が提供している「QOLコーチング」は少し方向性が違うので、最後にそのご紹介をさせていただきますね。

QOLコーチングとは?

QOLは「Quality of life(クオリティー・オブ・ライフ)」の頭文字とコーチングを掛け合わせた造語で、菊池がオリジナルで提供しているコーチングスタイルです。

その名の通り「人生の豊かさ」の向上を意図したコーチングスタイルで、簡単に言ってしまうと、豊かさとは結局のところ「人生の一つ一つをどのように認知するか」で、その認知について取り扱う方法です。

※ベースとなる考え方やコンテンツは、コーチングや、認知科学であるNLP(Neuro Linguistic Programming)、メンタルスペース心理学、ポジティブ心理学など。

また、従来のコーチングのように「目標設定ありき」「問題解決ありき」ではなく、理想と現状のギャップを埋める行動計画も(否定はしていませんが、基本的には)立てません。

決して従来のコーチングスタイルに対する「否定」ではないのですが、これまで、人生を豊かにするはずの目標達成や問題解決が、むしろ苦痛となってしまったり、達成・解決されればまだマシですが、されないときにより自己肯定感や幸福感を下げる結果になったりする場面に多く遭遇してきました。

何なら、目標達成したのに、問題解決できたのに、全く幸せを感じないどころか「私は何のためにこれをやってきたんだろう・・・」と虚しささえ感じるケースもとても多いです。

「目標さえ達成できれば、問題が解決できれば、きっと幸せに違いない。」

その妄信が生んだ結果とも言えるかもしれません。

もちろんそこから学ぶこともあるので、失敗だとか意味がないとは全く思いませんが、この「何かを達成しなければ、解決しなければ、幸せにはなれない」=「幸せとは、何かの条件を満たしたときにだけ得られるもの」という誤解から根本的に発想を切り替えたいのです。

「満ちた状態」から発想・選択・行動する

僕自身はあまり仏教について詳しくないのですが、実兄が真言密教の僧侶になったときに「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という考え方について話をしてくれました。

菊池なりの解釈ではこうです。

「一般的な僧侶のイメージは、いつか仏様のように輪廻から解脱するために修行をする。瞑想中は、恐れ多いと仏様とは逆の手足の組み方をする。しかし真言密教では、この身このまま仏様として生きていくという発想で、仏様と同じように手足を組んで瞑想し、仏様として日常を過ごす。」

つまり、従来のコーチングのように「いつか仏になる」という目標設定をして、現状とのギャップを埋めるために苦行し、解脱という到達点に達したときに初めて喜びを感じる(かどうかは分からないが)というのが一般的な僧侶のイメージ。

一方、仏という「方向性」や「意図」は持ちつつ、仏になることを目標にはしない。今この瞬間から仏として生きていくことで、今この瞬間から認知や発想・選択・行動を変えていくのが即身成仏であり、その発想に影響を受けたのがQOLコーチングです。

QOLコーチングで、何がどう変わるのか?

例えば、クライアントが「〇〇な状態になりたい」と目標を話したとしたら、従来のコーチングでは「その目標に対して現状足りていないのは何ですか?どんな考え方や行動をしますか?」と話を進めていくでしょう。

QOLコーチングでは、「〇〇な状態になりたい」という話に対して「そのような状態に実際になれたあなたがいるとしたら、現状をどう捉え、どのような発想・選択・行動をしますか?」といった感じで話が進んでいきます。

これはごく部分的な話ですので、印象として「従来のコーチングと結局やることは同じじゃない?」と感じるかもしれません。

これは感覚的なことなので非常に文字にしにくいのですが、これからギャップを埋めようとする視点と、すでに状態や意図が満ちている視点では、物事の認知も発想・選択・行動も全く変わるのです。

例えば、これからプロのスポーツ選手を目指していこうとする人の視点と、すでにプロスポーツ選手として活躍している人の視点とでは、全く違うであろうことが想像できますよね。

人生としても「いつか達成したら、問題が解決したら、その結果によって幸せになれる(かもしれない)」のではなく、プロセスそのものが幸せで豊かな人生をつくってくれる。

これがQOLコーチングです。

QOLコーチングを、あなたの人生にどう役立てるか?

今日は1つだけ、事例をお伝えしますね。

「何かを達成しなければ、問題点をクリアにしなければ、私には価値がないし、幸せにはなれない。」

こんな思いで生きてきたクライアントAさんがいました。

文章だけ読めば、善かれと思って「それは思い込みですよ」と伝えたくなるかもしれませんが、それは失礼ですし、必要もありません。

自分自身に価値を感じたい、幸せになりたいという善意の意図を「何かをする」という行動を起こす原動力としてきた方ですし、そのパターンが成立してきたこともたくさんあったのだと思います。

だからこそ、新たな発想が加わったときに、Aさんが自身でどう感じ、どう変化することを選ぶのかが重要なのです。

QOLコーチングでは、例えばこのように対話します。

「あなたが自分自身に価値を感じられているとき、あるいは十分に幸せを味わえているとき、それは本当に、何かを達成したり、問題点をクリアにしきったときでしょうか?それとも他に要因がありそうか、どう感じますか?」

Aさんは、このような対話を通し「何かをしなければ私には価値がない、幸せを感じるべきではない」という発想からの選択・行動ではなく、「私は何もしなくてもすでに価値があるし、幸せなのだ」という発想から選択・行動して生きるようになれたそうです。

細かなニュアンスが伝わりにくいので、文章だけ見ると「甘い生き方だな」と感じる方もいるかもしれませんが、もしかしたらその考えすらも、以前のAさんのようなコンプレックスから来ているのかもしれませんよ。

でも、計画を立てないと行動に移せなくない?

たしかに、計画を立てた方が、やるべきことが明確になって行動しやすいという方も多いと思います。

余談ですが、菊池が住んでいる沖縄は「計画をばっちり立てて観光に来る人」と「何も決めずとりあえず来る人」に分かれるんですね。

どちらも贅沢な旅に違いはありませんし、優劣はないのですが、前者は「リフレッシュする旅にするつもりだったのに、計画をこなすことに忙しくなって逆に疲れて帰っていく」ということが多々あるようです。

例えば、従来のコーチングが、目的地まで最短ルートを示す「カーナビ」だとすれば、どの道をどう進めば良いかを明確にすることができるでしょう。

ただ、変化の激しい現代では、カーナビが示す道が突然工事中になったり、そもそも地図にない新しい道が現れたりします。目的地(目標)に固執したり、立ち往生してしまう側面もあるかもしれません。

一方、QOLコーチングは、大きな方向性を示す「コンパス」と言えるかもしれません。

「自分にとっての豊かさ」の方向を示すコンパスを持つことで、どんな状況でもワクワクする方角を向き続けることができ、自由に道を創造し、選び、ときには寄り道したり遠回りするそのプロセスそのものが、豊かな人生になるのです。

「計画を立てない=思考停止で成り行き任せ」ではなく、あらゆる可能性が開かれた、最も自由で創造的な状態で豊かに生きるためなのです。

少し踏み込んだ本音を最後にお話すると「どうせ人が頭で考える程度の目標なんか、実際にはそれ以上のことが起こるに決まってるし、目標に固執すると、想像以上の豊かさが起きたときに受け取る準備ができない」という側面があると思っています。

「べつに夢なんてない」「目標を立てなさいと言われるけど、難しい」と悩んでいたり、目指す将来はないけど「こうはなりたくない未来」ならある、という方にとっても、きっと有効活用していただける。はず。です^^

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この記事を書いた人

Be Coaching 株式会社 代表取締役社長
目標設定せずGOALも目指さない「QOLコーチング」開発者。業界歴18年。個人から上場企業まで指導。著書:『元・偏差値36のプロコーチが教える 成功とメンターの本当の話 あなたの悩みはすべてメンターの仕業だった!』

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