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from 湘南・茅ヶ崎の自宅オフィス
こんにちは、菊池です。
ポジティブ表現とネガティブ表現
「ポジティブ表現にしなさい」
なんて指摘を受けた、あるいはしたことはありませんか?
例えば「チームのみんなに迷惑をかけないようにします」の、
「迷惑をかけないように」を「貢献できるように」みたいな表現にしましょうね、と。
「前向き思考」や「ポジティブシンキング」を推すところだと、特にこの類の指摘は多いのかもしれません。
たしかにポジティブ表現の方が、耳障りも良いですし、前向きな気分になれそうな気がしますよね。
が、必ずしもポジティブ表現が、ポジティブな結果を生み出すとは限りません。
むしろその逆で、ネガティブ表現を通して、ポジティブな結果を生み出すことも多くあります。
どうやら人にはポジティブ表現の方が機能する人と、その反対の人がいるようです。
では、そこにはどんな違いがあるのでしょう?
目標達成型と問題回避型
その違いは、人の行動動機にあります。
人の根本的な目的は「生き残りと子孫繁栄」ですので、生き残る確率を少しでも上げたいんですね。
だから「快楽を得る or 危険を回避する」行動をとるのですが、これが 快と痛みの原則 ですね。
、、、なんて言っちゃうと、ちょっと大げさな感じがしちゃうので^^; 例えば、
・「夏、ビーチで脱げる身体になりたい」
・「夏、ビーチで脱げない身体になりたくない」
みたいなカジュアルな感じで考えてみましょう^^
ざっくり「身体を鍛えたい」と思っても、その表現方法は2つに分かれます。
前者を「目標達成型」、後者を「問題回避型」と呼びましょう。
目標達成型の特徴とは?
<夏、ビーチで脱げる身体になりたい>
こちらの特性が強い方は、一般的に「ポジティブ表現」と呼ばれるような目標設定の仕方を好みます。
「学年で一位になりたい」とか「資格をとって就職したい」とか、「こうなりたい」って表現ですね。
目標や目的を決めるのが好きだったり、ニンジン(ご褒美 = 快)をぶら下げられると頑張れたりします。
使う言葉も前向きに聞こえますし、目標を達成するまでの持続力もあるので、周りから見ると「努力家」とか「目標に向かって頑張れる人」「情熱がある人」みたいに思われることもあると思います。
ご褒美とか、しっかり稼いだ証とかで、ブランド品なんかを買ったりします。
問題回避型の特徴とは?
<夏、ビーチで脱げない身体になりたくない>
一方こちらは、何かを目指すというよりも、何かを避けたい印象を感じる言葉です。
「ビリになりたくない」とか「就職を失敗したくない」とか、「こうなりたくない」って表現ですね。
だから、一般的に言われる目標設定みたいなものは、あまり得意ではないです。
それよりも、現状すでに感じている、あるいは将来感じることになるかもしれない「痛み」を想像した方が、結果的には行動につながります。
また、目標達成型の「快を求める = 気持ちいいことはずっと味わえる」のと比べて、問題回避型は「痛みを避ける = 痛いことは早く終えたい」という思考になるので、一刻も早く痛みから抜け出そうとします。
つまり瞬発力が高いので、決めたらすぐ動くような行動力がある人のように見られます。
「コンプレックス隠し」や「人から舐められないように」ブランド品を買うことが多いです。
大事なのは「傾向性で、両側面ある」こと
あなたはどちらの傾向性が強いでしょうね?
ここ大事なのですが、優劣の話ではありません。
どちらも一長一短あり、かつ、あくまで「傾向性」の話なので、どちらか一つしかないわけでもないです。
ある時は目標達成型、またある時は問題回避型になったりします。
例えば僕なら、誰かにプレゼントを買うときには「わあ〜、嬉しい!」と喜んでもらえるのをイメージして探します。
これは目標達成型の特徴ですね。
一方、溜まった事務仕事をするときには「あとでメンドくさい状況になるのが嫌だから」やります。
これは問題回避型の特徴なので、場面によってどちらも使ってるわけです。
それぞれのメリットとデメリット
まず大きな違いが、物事の達成方法ですね。
「問題回避型は、ゴール設定ができないんだから、どうやって物事を達成するのか?」と思われるかもしれませんが、むしろ問題回避型の傾向性が強い方の方が、早く達成することがあります。
目標達成型は、ゴールを決めて、そこに向かっていくのが得意です。
「持っていないものを得るために」向かっていくので、瞬発力よりも行動の持続性があります。
ただし、道中もずっと「持っていない = 満たされていない」ままなので、目標がはるか先だったり、ある程度の期間や目安、そこに向かえている実感などがないと、途中で諦めてしまうこともあります。
ちなみに、度が過ぎると「いくら達成しても満たされたない」「達成中毒」になります。
一方、問題回避型は一刻も早く痛みから逃れたいので、瞬発力も行動力もあります。
そして、目標に向かっているわけでもないのに、痛みから逃れていたら「いつの間にか何かを達成している」ケースが多いです。
よく成功者のインタビューで「とにかく目の前のことを何とかしようと思ってたら、いつの間にか成功してた」みたいなのって、ありますよね。
あと、若手の社長さんによくありがちな「学歴も何もなくてコンプレックスの塊だった」みたいな発言にも、その傾向が見え隠れしますね。
ちなみに、問題回避型が強いと、逃れるべき痛みがなくなると途端に行動力を失います^^;
が、そのときにようやく「じゃあ、これからどうなりたいか?」がイメージできるんですね。
例えば、目の前の仕事でいっぱいいっぱいのときに、理想論みたいなことを聞かれても「今は目の前のことで大変なんじゃ!」って気分になりません?
コンプレックスを解消するのに一生懸命だった社長も、いざ自分の安全が確保されると「じゃあ人のために何かを」ってなるわけです。
だから「順番」と考えると、良いかもですね。(まあ、完全に安全を感じるのは、なかなか大変ですけどね。)
図にするとこんな感じ。
それぞれに効果的な言葉がけとは?
未来のことを話すとき、それぞれにどんな言葉がけをすれば、より良い未来に向かえるでしょうか?
目標達成型の方には「あなたが欲しい結果は何?」というシンプルな質問でいけるでしょう。
ただし、中には「達成するためなら方法を選ばない」という極端な方もいらっしゃるので、必ずセットで問いかけてほしいことがあります。
それは影響への配慮です。
例えば先ほどの「夏、ビーチで脱げる身体になりたい」の目標を掲げたとき、例えば方法として「トレーニングジムに通う」とか「食事制限をする」などがあがるかもしれません。
そのとき、その人が結婚してるとして「じゃあジムに通うお金はどうするの?」「食事制限用の食事は誰が作るの?」といった、周囲の人を巻き込むであろう影響について配慮することは、とても重要です。
(もちろんそれは、問題回避型の方にも言えることですけどね^^)
一方、問題回避型の傾向性が強い方には、「こうはなりたくない結果は何?」と聞くと良いです。
で、無理やり目標達成型に持っていきたい(ポジティブ思考を推してる方なんかは、そうしたいでしょうね。笑)場合は、その答えを聞いた後に「ではそのとき、あなたはどうなってる?」と聞いてみてください。
そうすると、痛みから逃れるためにという「目的」を踏まえた上で、〜〜したいという「目標」が立ちます。
例えば、こんな感じ。
「こうなりたくない結果は?」
↓
「借金まみれになりたくない!」
↓
「そのとき、あなたはどうなってる?」
↓
「しっかりお金を稼いでる!」
↓
「どのくらい?」
↓
「(キチンと計算した上で)1,000万円!」
↓
「じゃあ借金まみれにならないため(目的)に、1,000万円稼ごう(目標)!」
また、問題回避型の傾向が強いと「今あるものを失う」ことをとても嫌がるので、ちょっと間違うと「脅しのマネジメント」っぽくなってしまって個人的には嫌なんですが、行動動機としては使えます。(何かを取り上げるとか、禁止にするとか、、、etc)
快と痛みのプログラムを越えて
このようにお互いに思考方法が違うので、ポジティブ表現が良いという「一般論」に惑わされず、問題回避型の強みについて知っておくことも価値があることです。
ただ、いつも「快のために」「痛みを避けるために」と行動していたら、なんかちょっと、原始的な感じがしませんか?
原始的が悪いわけではないんですが、何となく、動物的というか、ロボット的というか「快か痛みを与えれば、こうなる」みたいなニュアンスを感じるんですね。
それに、なんか「ずっと満たされてない人」とか「欠乏感の塊」みたいな感じもしませんか?笑
じゃあどうしたら?
問題回避型でも、痛みを回避しきって安全が確保されれば、やがて快に向かえる話は先ほどしましたよね。
で、快を求めるのは「今はまだ快を持っていないから、持てるようになるため」です。
ここで重要なのは、快って、ほとんどの場合「感覚」とか「経験」なんですね。
例えばブランドのバッグを買うのも、そのバッグ自体が欲しいことももちろんありますが、ほとんどの場合は「そのバッグを買った自分、持っている自分」といった感覚や経験が欲しいからです。
だとしたら、経験は別としても、感覚自体は何となくであっても感じられる方法って、あるじゃないですか?
イメージをするとか、瞑想をするとか、疑似体験をするとか、経験者にインタビューをするとか、、、
「それで我慢せい!」というわけではありませんよ。
ただ、達成の日まで欠乏感の塊として日々生きるのか、満ちた感覚を持ち合わせながら達成の日が来るのを待つのかでは、随分と毎日の過ごし方が変わりそうじゃないですか?
毎日の過ごし方って、本当に色々あります。
日々の選択、決断、感情、行動、、、それら全てが、すでに満ちている方とそうでない方とで違いますから、良いモデリングにもなりそうですよね。
表題の件でいうと、世の中の成功者と呼ばれる方は、最初からずっと前向きだったかと言うと、調べてみれば案外そうでもない(というか、そうじゃないことの方が多い?)ことが分かります。
突き詰めた真の痛みは、真の快にもつながります。
「快と痛みの原則」は、僕たち全員にプログラミングされたものですが、それに無意識に「操られる」のではなく、そういう特性を「使って活かせる」ことができたら、突き抜けた成果につなげられそうですね。
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「より良く生きるヒントがつまっている」
「今までの自分になかった視点と気づき」
「読み進めるうちに夢や目標を思い出す」
「マーカーだらけになった一冊」
「自分の見方が変わり、未来が楽しみに」
「ずっと孤独感があったが、
自分は愛されていたのだと気付いた」
「深呼吸より自然に、メンターに出会えた」
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ブログ筆者:Be Coaching 株式会社
代表取締役 菊池 達郎(きくち たつお)
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