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from 湘南・茅ヶ崎の自宅オフィス
こんにちは、菊池です。
「コーチングの質問って、どうやったら上手くなりますか?」
というご質問をよくいただきますので、回答させていただきますね。
質問が上手になるための誤解
特にコーチングを学び始めの頃には多いかもしれませんが、よく「こうしたら質問上手になれる」みたいな誤解を耳にします。
特に多いのはこの3つ。
誤解1:質問の引き出しを増やすべきだ
「とにかく質問の数を増やす、引き出しを増やす」必要があると思っている方がとても多いです。
旅に出るときに心配性な方ほど荷物が増えるのと同じで、実はそんなにたくさんの荷物はいりません。
「あったらいいもの」はたくさんあっても「絶対になきゃダメなもの」はあまり多くありませんよね^^
もちろん引き出しが多いに越したことはありませんが、引き出しが多いからと言って質問上手とは限りません。
(というか、そんなに多くの、しかもテクニカルな質問は、滅多にお世話になりません。笑)
誤解2:質問の型や順番を守るべきだ
よくコーチングのセミナーなどでは、一つのまとまった質問の型や、順番に質問していけるものなどを学ぶと思います。
もちろんその型や順番は重要なもので、実用的なものに間違いありません。
でも、一歩セミナールームを出たら、あなたの都合で順番に質問に答えてくれる(もしくは質問の順番通りに都合よく相談をしてくれる)人なんて滅多にいないし、そういう場面に出くわすことも多くありませんよね。
型や順番にこだわりすぎると、イレギュラーが起きたときにパニックになって、全然話が入ってこなくなってしまった……なんてケースもよくあります。
多くの場合、必ずしもその型や順番で質問しなければいけないわけではありません。
その型のうちどれか、その順番のうちどこかを使えたらラッキー、くらいに思っておくと良いと思います^^
誤解3:特定の「魔法の質問」がある
コーチング初心者時代に、コーチングが上手な人のデモなどを見てると、こんなふうに感じるかもしれません。
「どうしてあの人はあんなに上手なんだ?きっと何か”魔法の質問”があるに違いない」
ありません(笑)
いえ、正確には「あらゆる質問が”魔法”を持っているので、どんな質問も”魔法の質問”になりえる」のです。
(”魔法の質問”という響きは、あくまでキャッチーなマーケティング的な意味合いと思った方がいいです。笑)
コーチングセッションはあくまで特定の1つの質問ではなく、複数の質問によって「解決への道筋」が作られていくことに注目すべきです。
質問を阻害する原因とは?
では、どうしたら質問がスラスラと出てくるようになるのでしょう?
逆に言えば、どうしてスラスラと出てこないのでしょう?
逆説的かもしれませんが、質問が「できない原因」を明確にすることで、どうしたら上達できるかも分かってきます。
では、質問ができなくなってしまう原因とは何でしょうか?
よくあるのは、この6つ。
1:話を整理できていない
コーチングの基本的な技術の一つ、バックトラックをご存知でしょうか?
相手の話の要点をまとめて、復唱しながら確認と整理ができる方法ですね。
例えば「先日、A部長と会議のときに揉めてしまって、関係が悪いんですよ」と言われたら「A部長と揉めてしまったんですね」「関係性が悪いんですか」とバックトラックしながら聞いていくことで、話のマイルストーンが敷かれていきます。
このマイルストーンが、小一時間も話をしていると、後半になればなるほど良い役割を果たしてくれますし、話が整理されることで適切な質問をしやすい状況も作ることができるんです。
よく「話がとっ散らかって、時間切れしてしまう」というご相談もいただくのですが、話を整理しながらセッションを進めていくのは、その予防にもなりますよ^^
2:質問していい関係性ができていない
特には一歩踏み込んだ質問(例えば「あなたとAさんは、仕事以外ではどんな関係ですか?」とか)をすることで、一気に話が解決に向かっていくことがあります。
でも、そういう質問をするには、それ相応の関係性(お互いに信頼し合っている、警戒心が少ない、など)が必要です。
以前、さほど関係性ができていない方からいきなり「菊池さんのビジョンは何ですか?」と質問されて「さあ……何でしょう。これを機に考えてみます」と答えましたが、内心は「あるけどあなたに言う必要がないから言わない」という感じでした(笑)
先述のバックトラックは関係性をつくるにもいい働きをしてくれますが、テクニック的にだけでなく、誠実さや人間性などで関係性がつくれるとさらに良いですね^^
3:評価・判断しながら聞いている
例えば「Aさんと関係性を良くしたいんです」という相談があったとき、あなたならその言葉をどう思いますか?
「それは良いことですね」「ぜひそうすべきだと思います」「賛成です」という感じでしょうか?
もしそうだとしたら、注意が必要かもしれません。
その「良いこと、そうすべき、賛成」という判断を”なぜ”しているかが、とても重要だからです。
例えば「人との関係は良くすべき」という価値観をコーチが持っているのは、よくあることだと思います。
ただ、コーチングセッションの場においては、その価値観を必ずしも持ち込むべきではありません。
なぜなら、その価値観があることで、文脈(前後関係や状況)を読むことなく「Aさんと関係性を良くすることは、良いことだ」と「評価・判断」してしまうからです。
「そのことの何が悪いのか?」と少し分かりにくいかもしれませんが、例えば「Aさんとの縁を切りたいんです」という話だとしたら、関係性を良くすべきという価値観を持ったコーチは「どうしてそんなことをするの(すべきではないよ)?」と思うかもしれません。
しかし、実はクライアントはAさんに「ストーカー」されている事実が発覚したとしたら?笑
それでもAさんとは関係性を良くすべきなのでしょうか?今すぐ縁を切った方が良いかもしれませんよね。
信念や価値観というのは、文脈なしには機能しません。
だからこそ、評価・判断をする前に、文脈を明らかにすべきなのです。
つまりこの場合、まず質問すべきことの一つは「どうして関係性を良くしたいんですか?」です。
自分の価値観に照らし合わせて評価・判断しながら話を聞いているうちは、コーチングは上手くなりません。
4:どんな質問をしようかと考えている
クライアントの話を聞きながら「次はどんな質問をしようか、なんて質問すればいいか」と頭の中で考えていることはありませんか?
「スムーズにセッションを進行させたい、恥ずかしい思いをしたくない」そういう気持ちはよく分かりますが、これもNGです。
なぜなら、そういうときは大抵「自分に矢印(意識)が向いている」からです。
人は基本的に何かに「焦点化」しますので、自分のことを色々と考えながら相手の話を聞くのは簡単じゃありません。
「なんて質問しよう」なんて考えているうちに、とても重要なことをクライアントが口にしたり、重要なノンバーバル(言葉以外のシグナル)の反応を見落とすかもしれないのです。
質問は「考えるもの」ではなく、相手の話を聞いていれば「自然と出てくるもの」です。
(これは「慣れ」の話ではなく、本当のことです。質問が出ない=完全に理解している or 興味がない、のです。笑)
セッション中は、相手の話やノンバーバルに意識を向けましょう。
5:解決までの道筋がつくれていない
例えば、タクシーに乗って「どこか暖かいところへ行ってください」と言っても、運転手は困ってしまいますよね。
同じように、まずはクライアントがどこに向かいたいのか、どこに行けたらOKなのか、どんな状況が解決できたらOKなのか、基準を明確にすることで、そこに向かう道筋ができます。
闇雲に質問すれば良いというものでもないし、そもそも見当違いな質問をしたところで解決までの道筋はなかなか現れません。
目的地や、今とにかくどこから離れたいのかを明確にできる質問から始めましょう。
6:インタビューになってしまっている
コーチングにおける質問の役割は「情報収集」の他に「視点を変える、気づきを起こす」といったことがあります。
例えば、コーチが知らないことについて質問するのが、情報収集。
「あなたは何歳ですか?」とか「あなたの仕事は何ですか?」ですね。
問いについて考えることで目的地に近づけるのが、視点を変える・気づきを起こす質問です。
「あなたは何歳の時からそのことについて悩んでいたのですか?」とか「仕事でもプライベートでも悩みは同じなのですか?」とか。
もちろん情報収集は大事ですが、これが前者ばかりになってしまうと、コーチングではなく「インタビュー」になってしまいます。
インタビューでは過去の振り返りや現在地の確認はできますが、クライアントの課題は解決されませんし、目的地に向かうこともできません。
ただ単にあなたが好奇心的に知りたいだけの質問なのか、セッションにおいて大事な質問なのかを選別しましょう。
スラスラと質問できるようになるために
上記の原因が一つでも当てはまったとしたら、まずはその改善に努めてみましょう^^
そして、スラスラと質問できるようになるためには、相手の方に好奇心を向け続けることが役立ちます。
「質問しなきゃ」ではなく、評価・判断なく、好奇心を持って話を聞いていて「それはどうしてだろう?」と思うことを、率直に質問したら良いのです^^
実は質問上手への道は、決して険しくありません!
参考にしていただければ嬉しいです。
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自分は愛されていたのだと気付いた」
「深呼吸より自然に、メンターに出会えた」
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ブログ筆者:Be Coaching 株式会社
代表取締役 菊池 達郎(きくち たつお)
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